2025年8月22日(金)、「マイクロデバイス概論」において、パナソニック エナジー株式会社の技術者の方々を講師に迎え、蓄電デバイスの最新動向と開発現場の実際について学ぶ特別講義が開催されました。持続可能な社会の実現に向け、電動モビリティや再生可能エネルギーと深く関わるエネルギー技術の基礎から応用までが紹介されました。
企業概要と事業フィールド
講義冒頭では、人事・総務センター佐伯 栄太様よりパナソニックグループの中でエナジー分野を担う同社の役割が説明されました。主力製品には車載用リチウムイオン電池や産業用蓄電システムがあり、世界各地の拠点で開発・製造・品質保証を一貫して行っています。特に、電気自動車(EV)市場における供給実績は世界有数であり、次世代電池の開発にも力を注いでいます。

蓄電デバイスの基礎と進化
研究者の藤本 竜成様からは、リチウムイオン電池の基本構造(正極・負極・電解液・セパレータ)や、充放電の原理について分かりやすく解説がありました。加えて、高エネルギー密度化・長寿命化・急速充電対応といった性能向上の取り組みや、そのための材料開発・製造プロセス改善事例が紹介されました。

開発現場のリアル — 安全性と品質保証
製品化には安全性確保が不可欠であり、異常発熱や内部短絡を防ぐための設計・検査技術も詳細に説明されました。特に、車載用電池では振動・衝撃・温度変化への耐性評価や、大規模生産における品質一貫性の確保が重要であるとのこと。これらは実機試験とシミュレーションを組み合わせることで実現されています。
持続可能な社会に向けて
講義の後半では、再生可能エネルギーとの連携、資源循環、CO₂排出削減といった環境面での取り組みも紹介されました。電池リサイクル技術や材料回収の実証事例は、学生にとって技術者としての社会的責任を考える契機となりました。
学生へのメッセージ
最後に、講師の方から「エネルギー分野は今後ますます重要性が高まります。失敗を恐れず、挑戦から学び成長してください」とのエールが送られました。持続可能なエネルギー技術の開発が、未来社会の鍵を握ることを実感できる講義となりました。