2025年6月27日、総合生産科学研究科の大学院生を対象に、共修科目「半導体マニュファクチャリング総論」の講義で、ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング(SCK)株式会社による出前講義が実施されました。
会社紹介のあと、現代の半導体技術について、産業規模や社会的な重要性を示す数値を交えながら、わかりやすく説明していただきました。次に、イメージセンサーに関する内容では、光電効果を利用した動作原理や、2層トランジスタ画素などの新技術による進化についてご紹介いただき、車載機器・FA・VR/AR分野への取り組みについてもお話がありました。さらに、CMOSイメージセンサーの製造工程を一つ一つ詳しくご説明いただき、CMP、エッチング、Cu配線などの精密工程に加えて、信頼性評価の重要性についてもお話いただきました。
受講後のアンケートでは、
・ 印象に残ったのは、「2層トランジスタ画素」や自社開発ツールによる高精度なシミュレーション設計など、技術革新への挑戦姿勢です。イメージセンサーが人間の眼のような役割を果たすという説明は非常にわかりやすく、技術と人間の感覚が密接に関係していることを感じました。講義を通して、製品の裏にある緻密な設計思想や製造プロセスの奥深さに触れることができ、半導体分野への関心がより高まりました。
・ 成膜やエッチング、CMPによる平坦化など、半導体製造における各工程の役割や仕組みが詳細に説明され、特にRIEによる異方性エッチングの精密さや、リソグラフィーが微細化を支える重要技術である点に強く興味を持ちました。またCMP工程での表面の平坦度の違いにも驚き、ナノレベルでの加工の難しさとそれを実現する技術力に感動しました。
・ 半導体と言えば「設計」のイメージが強かったですが、「作る」ことにも沢山の工夫や技術があることに気づきました。特に、少しのズレも許されないくらい正確さが大切という話が印象に残っています。また、完成した製品の裏側には多くの工程や人の手間があると知り、ものづくりに対する見方が少し変わったように思います。これまで製造の分野にはあまり興味がありませんでしたが、講義を受けて「こういう世界もおもしろそう」と思えるようになりました。
などの声が寄せられました。
講義後には、SCK様と本学工学部との教育連携施設(ETL)において、講師の方や人事ご担当者様にもご参加いただき、学生との懇談会を実施しました。SCK様の夏季インターンシップに参加予定の学生もおり、エントリーシートで重視されるポイントや、勤務地の希望・転勤の有無、クリーンルームでの作業の有無など、選考や業務内容に関する具体的な質問が寄せられました。また、エンジニアとしてのやりがいや、若手社員の方には会社に対する満足度をお尋ねするなど、活発な意見交換が行われました。


